ニキビ跡の治療にレーザー機器を導入している東京都内のクリニックを調べたところ、多くのクリニックが1~3種のマシンを取りそろえているのに対し、10種ものマシンを揃えているクリニックがありました(2022年2月調査時点)。それが中央区銀座にある「セオリークリニック」です。
院長の筒井先生に、なぜこれほどの数のマシンを揃えているのか、治療に関して抱いている思いをインタビューしました。
お話を伺った筒井先生。穏やかな笑顔でハキハキと説明してくれます。
Q.レーザー機器の取り扱い種類の多さに驚きました。他院ではニキビ治療に使用するレーザー機器は多くて3種くらいのようですが、10種も取り揃えていらっしゃる(※2022年2月現在)のはなぜですか?
A.ニキビ跡治療は非常に難しいものです。20年ほど前は、治療法自体はあったとしてもニキビ跡そのものが良くなるというわけではなく「傷を新たに作り目立たなくする」という発想でした。
その後フラクショナルレーザーの登場により格段に治療法が進歩しましたが、まだまだ「これがスタンダード」と言える治療法までが確立されたわけではありません。
そのため、ニキビ跡のタイプや肌質に合った治療法を提案して治療を行なっていく必要に迫られ、複数のレーザー機器を揃えるようになりました。そこにはもっと患者さんの状態を改善させたい、患者さんに変化が乏しく残念な思いをさせたくないという思いがありここに至っています。
今後も治療法は進化していくので、複数の治療法を組み合わせた複合治療の開発や新たなレーザー機器の導入なども進めて、患者さんが治療結果に納得・満足できるクリニックであり続けられるよう、努力していきます。
ニキビ跡のレーザー治療に真摯に向き合う筒井先生
Q.先生の考える、レーザーでニキビ跡を治療する魅力を教えてください。
A.私自身、ニキビ跡治療に出会い美容医療の道に進もうと決意したので、ニキビ跡治療には強い思い入れがあります。以前は治ることはなかったニキビ跡がフラクセルというフラクショナルレーザーの登場により劇的に改善する症例が出てきたのを自分の目で見た時に、驚きとともに、もっとレーザーの進歩について学ばなければいけないという思いに駆られ、大学の形成外科から美容医療に軸足を移しました。当時フラクセルは日本に2台しかなく、ニキビ跡治療として用いて結果がみられたのは数人の医師しかいなかったと思います。その中にいた事は、ただただ運が良かった事だと思います。
ニキビ跡治療の成果が出ている症例を見た時は本当にびっくりしました。それまでの知識では説明のできない変化だったからです。レーザーの進歩は時に驚くべき治療結果をもたらすので、今後もレーザー治療に携わる中でこの感動が得られたら幸せだと思いながら治療にあたっています。
治療を通じて得た知識を説明する動画もYoutubeにup
Q.「レーザー治療がよい」と確信を持たれたきっかけが何かあったのでしょうか。
A.17年くらい前にフラクセルで治療を行なった症例で大きな変化が見られたときに、フラクショナルレーザーの可能性について確信しました。
その後、学会での発表や論文を執筆を行いながら研究を続け、どのような設定での照射が良いのか、効果の出やすい・または出にくい症例のタイプはなど研究を続けています。
セオリークリニックの一押しレーザー機器「サイトンヘイロー」と筒井先生
Q.レーザー治療で患者側が注意することなどありますか?
A.フラクショナルレーザーが効果があると言ってもフラクショナルレーザーは多数種類があり、レーザーの波長の種類、照射のパワー、レーザー径などにより効果が大幅に変わってきます。さらにフラクショナルレーザーにはパワーを上げるとレーザー径が太くなるという大きな弱点が存在するため、これを考慮に入れて治療ができるクリニックを選ばなければいけません。
ニキビ治療に使われるさまざまなレーザー機器
Q.過去に印象深かったニキビ跡治療の患者さんはいらっしゃいますか。
A.今までどんな治療しても変化がなかったが、先生の治療ですごく改善しました!という言葉は印象に残っています。それまで受けてきた治療も決して間違った治療ではなかったのですが、効果がありませんでした。その理由を探り、どうしたら効果を出せるのかを考えて提案し、その治療を選んでいただいた結果の変化なので、とても嬉しかったのを覚えています。
普段の診療風景。後日わざわざ挨拶に来てくれる患者さんも
Q.レーザー治療を考えている患者さんにメッセージをお願いします。
A.冒頭でもお話ししたように、ニキビ跡治療は美容皮膚科治療の中でも難しい部類に入る治療です。治療のガイドラインがあるわけではなく、まだまだ多くの謎に包まれた治療分野なのです。
その中で私たち医師は、より良い結果を出すための方法を研究し、実践してきました。試してみることで分かったことを生かし治療を行なっていますが、解明できていないことが多くあるのもまた事実。その事実に真摯に向き合い、患者様のためになる治療結果を生み出せるように日々診療にあたっていきたいと考えています。
笑顔のシーンも。チャーミングな先生ですが、治療は毎回真剣勝負です
レーザーがニキビ跡治療の概念を変える瞬間を目撃し、医師人生の方向性を大きく変えた筒井先生。現在もベールに包まれたニキビ跡治療の最適解を見つけるべく、日々研究を続けています。
レーザー治療に対する情熱とスキルがあり、患者一人ずつに真剣に向き合ってくれる筒井先生に、あなたのニキビ跡の治療も相談してみませんか。